« 第378号 「副業のススメ?」 | トップページ | 第380号 「宝くじは、優れた資金調達ツール」 »

2018年5月 4日 (金)

第379号 「経済と結びつけることで社会貢献は動き出す」

<今回の執筆者:天月珠美>
  プロフィール:
  携帯: http://www.stageup.co.jp/lps/i/i_mail_magazine.html#amatuki_tamami
  PC: http://www.stageup.co.jp/lps/mail_magazine.html#amatuki_tamami
 
 
 
こんにちは、天月珠美です。
 
連休も後半ですね、いかがお過ごしですか~
 
 
いろいろな分野で、社会貢献活動というのがあります。
それ自体は大変素晴らしいことですし、大切な活動だと思っています。
 
でも、どうも(特に日本の場合は)そこには「自己犠牲」というか、「過剰な利他主義」があるように思えます。
 
自己犠牲や利他主義を貫いている人は、人として徳が深いと思います。
ただ、いろいろな理由から、それができる人は限られています。
 
 
皆さん、世界中の貧困者の「数」は知らなくとも、毎日ろくに食事のできない子供が何万人もいて、病気や栄養失調で日々たくさんの命が失われていることは知っていますよね。
 
では、年間、いくらをユニセフ、赤十字、国境なき医師団などに寄付していますか?
仮に、年間に1万円(1日当たり30円)を寄付したとして、皆さんは暮らしていけなくなりますか? そんなことはないですよね。
 
でも、寄付をしていない人のほうが多いのではないかと思います。
もちろん、それが「普通」だと思います(特に日本においては)。
 
 
参考までに、
 
日本ファンドレージング協会「寄付白書2015」によると、日英米3カ国の個人寄付総額(会費を含む)は次の通りです。
(カッコ内は名目GDPに占める割合、1人当たりの額、1人当たりGDP額と順位)。
 
●日本:7409億円    (0.2%、約5,800円、$38,440、25位)
 
●英国:約1兆8100億円(0.6%、約28、000円、$39,735、24位)
 
●米国:約27兆3504億円(1.5%、約84,000円、$59、501、8位)
 
 
 
年間1万円を寄付したって、暮らせなくなるわけではない人がほとんどである日本なのに、
それでも1万円を寄付(=無償供与)することはしないわけです。
 
 
では、お金ではなくて、役務提供での社会貢献なら??
 
あなたは、社会貢献や環境問題に関するボランティア活動に「継続的」に参加したことがありますか?
(町内会主催の清掃活動等、純粋な個人意思ではないものは除きますネ)
 
 
宗教や文化の違いなどがあるものの、「気持ち」の問題だけで、社会貢献活動を行うのは非常に難しいのが現実なんだと思います。
 
 
 
何年か前、中国、特に北京の大気汚染問題が大きく報道されましたね。
 
社会貢献活動という観点から見れば、北京住民が「車を乗る」ことを控えるのも、大きな活動です
(大気汚染のもっとも大きな要因は別ですが、「個人ができること」としては重要な活動です)。
 
それは、自分の利便性を犠牲にして社会に貢献する、ということでもあります。
どれだけの人がそれを実践したんでしょう?
 
 
日本でも1970年代、夏になると光化学スモッグが多発していました。
では、「夏は車に乗るのを控えよう」とした人はどのくらいいますかねぇ。
 
社会貢献になるとしても、自分の利便や利益と反することには、(気持ちは賛成するとしても)実際には参加しないことが多いものです。
 
もちろん、そんなふうに考えない人が増えるほうがよりよい社会になるでしょうが、文化や教育を根本から変えなければなりませんから、時間がかかります。
 
 
すぐに動きを作り出すためには、
 
「経済活動とリンクさせる」
 
ということです。
 
 
 
ダーン・ローズガールデというオランダ人デザイナーが、大気汚染を何とかしたいと思ってユニークな装置を開発することにしました。
( https://wired.jp/special/2017/daan-roosegaarde/ )
 
簡単に言うと、すごくおっきい空気清浄器です。
 
その清浄機が稼働すると、結果としてスモッグの粒子(多くは炭素)が収集されます。
彼は、その装置の開発にかかる費用をクラウドファウンディングで集める際に、
その炭素でできた「指輪」を売るアイデアを実践しました。
(圧力のかけ方によっては人口ダイヤモンドも作れます、と彼は言っています)
( https://www.kickstarter.com/projects/1777606920/the-smog-free-tower?ref=nav_search )
 
おそらく、「装置を作りたいからお金を下さい」だけでは、集めるのは難しかったでしょう。
 
「指輪」
という経済価値のあるものを提供することができたことで、そこには気持ちだけではない
 
「経済活動=購入による物理的な充足」
 
という、お金を出す動機が付加されたことで、お金が集まりやすくなったのだと思います。
2016年には、その装置が実際に北京で稼働しました。
 
 
アメリカのアルバカーキーという人口60万人ほどの市が、路上生活者のためにユニークかつ効果的な対策を実施しています。
 
無料の食事支援や住居支援ではなく
 
「市として、仕事を与える」
 
ということです。
 
もちろん、日雇いが基本ではありますが、時給9ドルです。
物乞い以外に収入がないことを考えれば、大変大きなインパクトです。
当然ながら、市としては支出が大きくなります。
 
 
僕が注目したのは、市がそういう政策を行うことに対して住民をどう説得したか。
 
「哀れな路上生活者の人たちを、皆さんの善意と税金で救済しましょう」
 
ではありません。
 
 
「路上生活者の人が家に住めるようになることで、市の財政は500万ドル節約できます」
(つまり、市民にもっとよい公共サービスができるようになる、ということです)
 
 
 
社会貢献活動は、どんなことでも大切です。
 
でも、それを実際に機能させるようにするには、経済活動が伴うスキームを考えることが大切だなぁ、と思っています。
 
 
 
ではまた(* ̄▽ ̄)ノ~~
 
 
 
 
 

« 第378号 「副業のススメ?」 | トップページ | 第380号 「宝くじは、優れた資金調達ツール」 »

あ 天月珠美」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 第379号 「経済と結びつけることで社会貢献は動き出す」:

« 第378号 「副業のススメ?」 | トップページ | 第380号 「宝くじは、優れた資金調達ツール」 »